ABOUT

大阪発のベンチャー企業「ゲキダンイイノ」が開発した時速5kmのモビリティ「iino」の実証実験にて、映像デザインを担当した。
実証実験は 2024年10月-11月 有楽町・丸の内エリアにて、「東京国際映画祭2024」とのタイアップ企画として行われ、複数の映画館が会場となる映画祭において、来場者が自由に乗降して街の中を移動できる手段となった。
実証実験の目玉として、プロジェクターを2台のモビリティに搭載し、移動しながら建築物に映像を投影する試みが行われた。
また、「モビリティスポット」と呼ばれるモビリティが発着する複数の地点を、空間的に装飾する映像も制作した。
街の中に同時多発的に映像が現れることによって、このモビリティが目指す体験価値を増幅することを目指した。
CONCEPT

開発した方々に、なぜ時速5kmのモビリティを街に走らせたいのかと尋ねたら、 移動自体が目的ではなく、ゆっくりと移動することで得られる「風景体験」に価値があるとのことでした。
現代の多くのモビリティは目的地へ直線に速く移動することに特化していますが、人間は本質的に「散歩するように」移動することに豊かさを感じるはずだと。
街の中を歩いて移動することが最も豊かな映像体験だと思っていた私も、深く共感する感覚です。
私は映像を用いて、このモビリティの素朴な価値観を最大限に街の中に広げる関わり方をしたいと思いました。
目を引いて注目を集める効果も果たしながら、観る人によって様々な解釈や発見ができる映像を目指しました。